東京の条件WORKS 2010参加作品
※ブログ「舞踊家 木室陽一 きむろよういち おどるおどる」より転載
ゆきとまり
「まちあるきおどり」中目黒編、2010年10月15日昼の回(7回目)
うすぐもりに度々晴れ間がさし、爽やかな午後。
心地好い風に癒され、
こんなパフォーマンスを心がけようと思うところに、
思いがけないお客様が次々と現れ、ますます気分も盛り上がる。
工事が進み、少し広くなった改札口には集まる人々も混み合うこともなく。
軽く明るく、街に飛び出す。
広場を巡り、
広場に降り立ち、
商店街へと繰り出す。
癒しよりも活気の街は常にアップなテンポで。
う~む、からだがついていかない。
歩く街のリズムよりも、風はもっと勢いなのか、もっと穏やかなのか。
その風に揺れるコスモスは、静けさをそこに留まらせる。
甘い香りと電車の音。
解放を求めているつもりが、
その事に囚われ、
かえって息ぐるしくしている。
トンネルをくぐり、
坂を登りつめる。
自分には何も得られなかったような行き詰まり感とはうらはらに、
見渡す景色は、
向かう電車と、ぬける空と、そこらにそびえる建物とで、
今まで出会わなかった広さでした。
執筆:木室陽一
投稿者:印牧